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昨日お客さんからたくさんの柿を頂きました。
お庭でとれた柿だそうで、柿好きな僕はとてもうれしいです。
で、柿を見ると必ず思い出すのが、フレームビルダーの入部さんです。
入部さんはお店の近くに工房のあるフレームビルダーで素晴らしいフレームを作ることでその道では有名な方でした。またかつて日本一になったプロロード選手入部正太朗選手のお父さんでもあります。
父がフレームビルダーで息子が日本一のロード選手と、なんか映画になりそうなシチュエーションですが、だれか映画にしないでしょうか。ま、自転車乗りしか見ないでしょうけど。
さて、その入部さんですが、やはり職人ですからかなり面白い人柄でした。その中のひとつ。
何年か前、ちょうどこの時期にお客さんから柿をたくさんいただいて、お店にいっぱい柿がありました。
お客さんで分け合ってもまだまだあって僕一人ではどうしようもないくらいでした。
そのとき、入部さんがお店に遊びに来て、僕は入部さんにも柿を進めてみました。
「入部さん柿いらない?」
「柿か・・・」と眉間にしわを寄せて渋い顔。
「柿きらい?」
「いや・・・そういうわけでもないんやけどな」
「どうしたん?」
「うちにもな、庭に柿の木があってな、毎年いっぱい実ぃつけよんねん」
「あ、うちにもいっぱいあるんやね。そっかそっか」
「いや、そういうわけやのうてな」
「どうしたん?」
「もうな・・全部食べ切ってもうてん!!」
「え?」
「柿大好きやね〜ん!(大きな声、しかもめっちゃうれしそう)」
というわけで、残りの大量の柿を全部持って帰っていきましたとさ。
そんな入部さんも亡くなってはや5年。
そういえば最近入部さんのお墓参りにいってないなあ。
今度柿持ってお墓参りに行こうっと。
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