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  突然ですが、イタリアに行くことになりました。なんとデローザの招待で行くのです。生まれて初めての海外旅行・・・いや、仕事。デローザの工房見学、スポートフルというウェアメーカの見学、そして、グランフォンドスポートフルへの参加。果たしてどうなるやら。
 このページはイタリアから更新する予定です。ノートパソコンを持って行って、外部からこのパソコンにアクセスして更新する予定です。もし、なんにも更新されず、うんともすんとも言わなかったら、「ああ、アクセスできなかったんだなあ」とおみやげ話を楽しみにまっていてください。それでは、行ってきます。
 Ciao!
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イタリア紀行 デローザ訪問編

 今日は、デローザの工房に訪問する日です。カタログなどでデローザの工房を見たことがあったのですが、ものづくりが大好きな僕は、大好きな自転車の工房が見れるとあって、ちょっと緊張しました。

 建物は一見すると何かわからないビルで、中に入るとデローザのショールームがあります。そのショールームの奥がそのまま工房になっているのです。ちなみにショールームの上の階は事務所でした。



















 ショールームと事務所の見学がおわり、ついに工房へ入るときは、僕は心臓が早まっているのに気づきました。あの憧れの工房に入れるんですもん。当然です。





 デローザの息子のクリスティアーノが一つ一つ説明してくれます。その説明ぶりがすばらしい。わかりやすいととかいういうわけではなく(イタリア語なんでわかるわけありません。通訳の方がいますが)ひとつひとつ情熱的に話すのです。ほんとうに自転車に対する熱い思いをもっていて、それを少しでも多く僕らに伝えようとしているのが伝わってきます。






 しかも、溶接のところでは僕らの目の前でtig溶接を実演してくれたり、クロモリではラグの焼きをしてくれたり、カーボンでは接着、なんとチタンの溶接までしてくれました。それら素材によって担当する人が違うのですが、みんな情熱的に説明してくれます。チタニオの担当の方にいたっては、「自転車はチタンが最高だ、カーボン、アルミなんて論外」なんていうのです。すばらしい職人です。職人の皆さんに共通しているのは、ユーザーが自転車に乗ったときのことを一番大事に考えてこだわって作っているということです。





次はアルミフレームの制作





目の前で溶接をしてくれました。感動。




次はカーボンフレーム




接着剤を塗って、カーボンシートを巻きつけて接合します。





次はチタン。チタンは溶接部の酸化に非常に弱いので、パイプの内側にもアルゴンガスが送られます。




 このあと、ウーゴ・デローザの自宅へ連れて行ってもらいました。デローザの初期の頃は、ウーゴの自宅の地下が工房になっていました。今では綺麗さっぱり空っぽです。






入り口。











 あ、すごいのがありました!当時のジロでのパスです。歴史的なものが適当に引っ掛けてありました。









 そのあと、塗装工房にも行きました。塗装は多分別メーカーのものも塗装しているのでしょうか、中に招待してもらえるまで相当待たされました。よそのフレームを慌てて片付けてるんじゃないか、なんて話していました。本当はどうか分かりませんが。
 それはさておき、塗装もこんなに手間のかかることをしているんだ、と驚きました。なんどもマスキングをして、塗っての繰り返しです。ほんとに溶接から仕上げ、塗装に関してまですべて妥協せずにがんばっている姿を見て、大きな感動を覚えました。







 これを見て、僕がデローザを好きになって、薦めてきたことに誇りを持てました。やはり本物だったんだ、僕のやってきたことは間違いではなかったと更なる確信を得ることができました。

 とにかく自転車に対して思想が高いのです。すごく昔からの伝統を持っていながら、自転車の未来に対する気持ちもすごく大きく、経営やビジネスよりも、夢や理想を持っているのです。ウーゴだけでなく、息子たちみんなが、自分のポリシーと語るときは目は未来を見据えていて、自分たちのやっていることに対して絶大なる自信を持っていることがわかりました。最近R848などのアジア生産のバイクも、世界の流れに乗ったわけではなく、デローザを新しい世代に伝えるための橋渡しの思想があるというわけです。

 僕はデローザに乗るということは、あるひとつの自転車に乗るというよりも、「デローザの思想」に乗るということで、デローザの思想の一員になると言うことなんです。

 言葉では言い表せられないけど、とにかく感動したんです。これを少しでもみんなに伝えたいです。

 というわけで、朝から夜遅くまで盛りだくさんな一日でした。

 


ここがデローザのショールーム。この奥に工房があります。いわれないと気づかないよね。






ここが工房。心臓が高鳴る。





デローザの歴史的なバイクの説明。これはかのメルクスが乗っていたバイク。





これはカーボンの接着。あんがい簡単そうですが、説明を聞くと、そうとう大変な作業です。まあ、これというよりも、接合前のしたごしらえが大変なんです。






これはやすりがけ。塗装が乗りやすいように、そして面が滑らかになるように丁寧にします。塗装が薄いので、でこぼこがあるとすぐわかります。




次はアルミ溶接。新型のチームです。








目の前で溶接をしてくれました。人前でこんな作業をするのはすごいことなんですよ。相当な集中力が要る作業です。





これはクロモリ。ラグに火をいれます。温度は職人の感覚だそうです。





次はチタンです。チタン溶接を生で見ることなんて絶対ないと思っていました。






最後は塗装です。塗ってマスキングして、はがして、張って、ひとつの色に対してすべて同じマスキングの手順を踏みます。涙ぐましいほど大変な作業でした。




ほんとはもっといっぱいあったのですが、これ以上長くなると大変なのでこれくらいにします。

納期が遅いのも納得できます。ひとつのフレームを作るのに、これだけ人の手がかかっているなんて、理屈で知っていましたが、実感することができました。




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