ヒルクライム大台ヶ原へ行ってきました。毎年スタッフとしてお手伝いさせてもらいに行っているのですが、もう何回目になるのかな・・・多分6回目くらいではないでしょうか。(もうよくわからない)
大台ヶ原と言えば、日本一雨が多い場所で、366日雨が降る、と言われるくらいの多雨地域なんですが、7月といえば本来は梅雨。日本一雨の多い場所で、1年で一番雨が多い時期に開催するのだから、雨が降って当然と覚悟しています。
ところが、今年は珍しい事に大台前に梅雨が明けてしまいました。僕はどちらかというと雨の方が暑くなくて走りやすいくらいなんですが、まあ、晴れて気持ちの良い大台ヶ原もいいかな、なんて思っていました。受付で会う人には「明日は暑いよぉ〜」なんて言っていましたが。
当日も朝から快晴。スタートの時点ではまだ涼しいものの、難所の辻堂あたりでは灼熱になる気配満々でした。まあ、僕はスタート直前にさらに肝を冷やすというか、変な汗をかいて、スタート前のほかの選手の緊張感とは違う、いきなり大ピンチと大ショックがない交ぜになった状態で気持ちが冷え切っていましたが。
さあ、いよいよスタート。僕も何とかスタートし、集団の後ろにぶら下がって走りました。辻堂林道で暑さにひーひー言いながら登り、スカイラインに入ると、すばらしい景色を眺めることができました。こんなに綺麗な大台ヶ原は初めてではないか、と思うくらい気持ちの良い景色でした。もう僕はタイムどころの状態ではなかったので、むしろツーリングとして走る事が来たのがまた良かったのかもしれません(負け惜しみではありません)
ゴールでは仲間と健闘をたたえ合い、冷たく冷えたおいしい冷麺を頂きました。気持ちの良い楽しい2011年の大台ヒルクライムでした。
・・・と、何があったって?涙を拭くハンカチを用意しておいて下さい。語るも涙。聞くも涙です。
当日朝、スタート前にアップの為にコースを流して走っていました。一緒にいたメンバーがトイレに行ったので、待とうかと思ったのですが、どこもトイレは順番待ちの列。暇だから一人でうろうろ自転車に乗って走りました。そこで、いつも大台には来ているけど、けっこうコースの道から分岐がたくさんあります。ちょっとした好奇心で脇道をどんどん探検に行ってしまいました。道が悪く、パンクの危険性を考えて引き返してきました。
時間が近づいてきたので、スタート地点に並びました。スタート前のセレモニーが進み、前のグループがスタート、という時になんと、後ろのタイヤがふにゃふにゃ。「まさか・・・」、もう修理している時間はありません。みんなスタート前にわいわい言っている中、僕は一人黙ってゴルゴ13ばりにシリアス顔になっていました。もうこのまま走るしかありません。
そのままスタート。気持ちを頑張るモードから完走目的セーフモードに切り替え、幸いスローパンクなので、いかに楽するか、というのに集中しました。
辻堂までは集団の後ろにぶら下がって、ついて行って、小処温泉分岐からはいきなりインナーローに入れ、登山の基本、小さな一歩でちびちび歩く、に従い、軽いギアをくるくる登りました。途中、「後ろパンクしてませんか?」という問いかけに「スタート前からです」というアホな応えをしながら、スカイラインに到着しました。
もうタイムはどうでもいいや、という気持ちになると、急に気分が軽くなり、景色を楽しむ余裕が生まれてきます。この日は空気が澄んで遙か彼方まで見渡す事が出来ました。周りの選手も巻き込んで「すごいね〜」なんて言いながら走りました。まあ、そんなこんなで何とかゴール。
はっきり言って辻堂では何度リタイヤしようか悩みました。グレーチングの振動でタイヤが底付きする感覚を尻で感じるたびに泣きそうになります。そして、辻堂でしんどそうにしている選手全員に向かって、「しんどいかもしれんがおまえらは幸せ者だ!だってパンクをしていないんだからな!」と心の中でからんでしまいました。
空気がないと、2倍苦しかったような気がします。だからゴールの感動も2倍おおきいものになったと思います。また、景色を見る余裕も出来ました。
パンクして良かった・・・とは言いませんが、楽しいヒルクライム大台ヶ原でした。来年は試走するときは注意しよう。
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